ゆるやかに反抗


彼が目を細めるのはそこに明確な意思があるときだけか。


夏の陽射しに隊長が手を翳している。笠城も目を細めた。おそらく二人揃って実に悪い人相をしているはずだ。東仙はただ普段のとおり、光の方向に目を向けていた。それが可能なのはゴーグルおかげなのか、あのしろい眼のせいなのか、多分後者なのだろうと勝手に解釈して、そういう彼が自分達と寸分違わず(否むしろ自分達よりも正確に)、動くことに今更密かに感嘆する。

虚が暴れていた。隊長が刀を構えた。後に続く。



「っくしょう、暑くて敵わねぇ!おい東仙、お前もその色眼鏡と覆面外したらどうだ!」


帰路。
下に広がる現世の風景はまた様変わりしていた。ここ数十年、変化が激しい。しかし変化とは関係なしに虚は今日も現れる。
暑がりな六車隊長に言われて、東仙がごそごそと顔を覆うものを外した。
外した後に、すぅ、と目を細めた。
眉の間に縦皺が刻まれていた。













何か

「何か気に食わんかったのか」

隊舎に戻ってから笠城は東仙に尋ねた。

「…何故そう思うのです?」
「眉間に皺が寄っていたぞ」

東仙は黙った。黙って、それから静かに笑った。

「眩しかったものですから」





笠城は狐に摘まれたような顔をした。